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〜北欧スウェーデン・ストックホルムの宮殿警備事情〜
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ストックホルムの観光スポットのところどころに警備隊がいる。観光客は最初は面白がって周りに集まり必ず写真を撮る。警備兵も「写真は撮ってもいいけどそのロープから近寄らないで!」見たいなことを言ってとっても人気者だ。しかしブームは直ぐに過ぎ去る。
警備兵は一定の時間になると勝手に行進をはじめる。長い銃は接近戦にめっぽう弱い。先端に鋭利なナイフがついているが突然短いナイフで襲われれば内臓までナイフが達すること間違いなし。つまり全く役に立たない武器を備えた観光客向けの客引きパンダだ。
観光客ももはや見ぬフリをしてその行進が視界に入らないようにしている。観光客に見放された客引きパンダにもう居場所はない。
観光客に見放された客引きパンダの行進は駐車場の端まで続きまた折り返してくる。振り向いてももう誰もいない。その背中は実に寂しげだ。
もどってきた警備兵の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。「俺は客引きパンダをする為に訓練をしてきたわけではない。」自分の中の葛藤と戦っていた。
軍隊が近寄ってきて警備兵に一声かけた。
軍隊「おまえその拳銃意味ないだろ。俺のピストル貸そうか?」
警備兵「大丈夫です。自分の中では心の整理ができていますから。」
確かにそんな会話が聞こえてきた。
EC-JOY!Press取材班
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