明治5年まで使用していた昔の暦(旧暦)では、月の満ち欠けのひとめぐり約三十日を1か月としていました。
もう少し細かく言うと約二十九日半(約29.5306日)です。
旧暦の一日(朔日)は、月が完全に欠けて見えない新月です。
この日から月が立つ→月立ち→「ついたち」です。
月は明け方に東の空から上り、真昼に真南の空、夕方に西の空に沈みます。
昼間の太陽と同じ方向にあるので空の明るさに紛れて見えません。
旧暦の七日頃は月の左半分が欠けた上弦の月。
真昼に東の空から上り、夕方には真南の空、深夜に西の空に沈みます。
旧暦の十五日の夜を十五夜と言い、毎月この夜の月はほぼ満月です。夕方に東の空から上り、深夜に真南の空、明け方に西の空に沈みます。
ちなみに、十四日の夜あるいは十六日の夜十六夜が満月のときもあります。いずれにしても、夜を明るく照らす満月を人々は特別な月として愛でました。
満月を鑑賞する風習は古代中国に始まり、日本には平安時代に伝わったとされています。
初めは宮中の貴族の習慣だったもの、後の時代に武家社会や一般町民にまで広まったものです。 |