振袖について |
■ 振袖の起源 |
現在、振袖といわれている着物が誕生したのは、江戸時代のこと。江戸時代前期に若い女性が着る正装の和服の袖丈が次第に長くなりました。
なぜ長くなったのかということについては様々な説がありますが、ひとつには舞踊を披露する際、舞台の上でより美しく見えるように長くしたといわれています。
袖丈の長さは、1600年代には55〜95cm、1800年代後半には95〜122cmくらいになったといいます。現在は、最も袖の長い大振袖で114cmくらいとなっています。
明治時代以降は、未婚女性の正装として定着しました。袂が長くなると、より華やかに見える反面、日常の動作には邪魔になることが多いため、普段着として着用されることはありませんでした。 |
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■なぜ振袖は未婚女性のもの? |
振袖には恋愛のサインが隠されていました。女性から思いを伝えることがタブーとされていた時代、江戸時代初期に踊り子たちは袖を振ると愛情を示す、袖にすがると哀れみを請うサインとしていました。これを未婚の女性たちが真似し、流行したのです。
男性からの求愛に対し、「好き」と伝えるときは袂を左右に、「嫌い」と伝えるときは袂を前後に振って意思表示をしました。
現在でも恋愛関係で「振る」「振られる」という言葉が使われるのはここに由来しています。
さらに、既婚の女性は袖を振る必要がないため、振袖の袖を短く詰めて留袖として着用していました。
結婚しないでいることが恥とされていた時代、留袖を着ることは、結婚していることをアピールするためでもありました。
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■厄払いにも通じる振袖
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袖を振る仕草は、「好き」「嫌い」のサインの他、厄払い・清めの儀式に通じます。
結婚式や成人式の日に振袖を着ることは、人生の門出に身を清めるという意味を持つようになりました。
人との縁や魂を呼び寄せるとともに、厄払いやお清めに通じると考えられています。
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■ 振袖選び 絵柄の意味 |
牡丹柄
牡丹は大きな花びらが豊かの象徴とされ、身分の高さを表します。
高価な着物選びに欠かせない柄です。
竹
現代で竹柄は非常に珍しく、オーダーメイドしないと手に入らないと思います。
竹は松竹梅で縁起が良いだけでなく、冬でも青々とし真っ直ぐ伸びる姿から、
成長を象徴する柄でもあります。
何かの節目、成長を祝う柄です。
蝶々
最近多くなった蝶柄ですが、この柄は『変化』を表す柄になります。
幼虫→さなぎ→蝶へと変化し成長するのでこの意味合いです。
また、花から花へと飛び回るので『移り気』という意味も。
昔の言われなので、気にしない方が良いと思いますが、フォーマルな席や婚礼の席では避けた方が良い柄です。
鶴
鶴の柄は非常に縁起が良いとされています。
長寿な動物なので、長生きしますように。といった願いが込められています。
成人式の振袖にオススメの柄です。
扇
扇柄は末広がりの形から、発展、反映を願うモチーフになっております。
成人式のオススメの柄です。 |
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■ 振袖レンタルを利用する時の注意点 |
まず最初に基本中の基本ですが、振袖レンタルを利用する場合はスケジュールに余裕を持って予約しておきましょう。
直前の予約になると、体型に合った振袖が無かったり好みの柄が無かったりという事も大いに考えられますし、気持ちが焦っているので様々な面で失敗をしやすいです。準備万端で当日を迎える為にもなるべく早めの予約を心掛けて下さいね。
その予約をする際ですが振袖レンタル料金の中に何が含まれているのかという事をよくチェックしましょう。成人式などに参加する時は振袖以外にも様々なものが必要になります。
例えばショール・鞄・足袋・下駄などの小物類は高確率で使う事になりますよね。
そうした小物類のセットが料金に含まれているのかどうか、また、含まれていない場合には小物類だけ別でレンタルを行なっているのかという事やその料金を聞いておく必要があります。
更に成人式に限って言えば、振袖は成人式当日に着るだけではありません。式より前に記念撮影を行なう事も多いです。
その際にも振袖を用意して貰う事は可能なのかという事やどのくらいの期間レンタル出来るのかという部分もチェックしておきましょう。アフターサービスやキャンセル料などもお店によって異なりますので、しっかりと内容を確認しておく事をオススメします。
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■メイクや着付けはどうする? |
当日着る振袖が決まりましたが、それだけではまだ終わりではありません。当日の着付けやヘアメイクも、プロにお願いするのが安心です。
呉服店で振袖を購入したりレンタルした場合、そのお店でお願いすれば当日の着付けもカバーしてくれることがほとんどです。
結婚披露宴に招待された場合などは、着付けとメイクが必要な旨を前もって先方に知らせておけば、当日、会場でプロにやってもらえるサービスもあります。
美容院などでレンタル契約した場合は、ヘアメイク、着付けなどはセットの場合がほとんどですし、写真館なども、着付けとヘアメイク担当のスタッフがいるか、近くの美容院と提携してサービスを行っているはずです。
着つけ、ヘアメイクに関しては、困ったら美容院に相談するのが最も確実で簡単です。
まずは懇意にしている美容院に尋ねてみましょう。
着付けとヘアメイクを予約する際は、当日の混み具合なども予想して、こちらの希望なども前もって伝えておくとよいかもしれません。特に成人式などは、当日の美容院は朝から大忙しで、着付けやメイクは流れ作業のようになってしまうこともしばしばです。
当日、美容師さんに「ヘアメイクはどんな風にしましょう?」と聞かれた時、慌てたり、希望をうまく伝えられない、なんていうことにならないように、自分なりの理想の振袖姿をしっかり思い描いておきましょう。
完璧なヘアメイクで、全身コーディネイトをぜひ成功させてください。
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■ 振袖購入のメリット |
振袖を購入する最大のメリットは、その振袖が自分の所有物になるという事です。自分の着たいと思う時に何度でも着る事が出来るというのは大きな魅力のひとつです。
その他には、
寸法を自分ピッタリに出来る
大事に扱えば娘や孫の代まで使用出来る
振袖によっては訪問着として仕立てる事が出来る
以上のようなメリットがあります。自分のサイズにピッタリ合った振袖は見た目の華やかさにも影響を与えます。振袖レンタルでは敵わない部分です。 |
■ 振袖購入のデメリット |
メンテナンスが大変
基本的に振袖レンタルより料金が高い
保管しておける場所が必要
仕立てに時間が掛かる
料金の問題や保管場所の問題は現実的に考えてもかなり重要な部分だと思います。高い料金を払って購入したのに保管が正しく出来ずボロボロになってしまった…では勿体ないです。
振袖をレンタルではなく購入する場合ある程度和服に対する知識が必要になるかもしれません。 |
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