環境問題 |
■ 地球温暖化 |
最近、昔に比べて夏は暑くなり、冬も暖かくなってきています。この気温変化は、地球の平均にすると100年前に比べてわずか0.5度しか上がっていません。国連の機関(IPCC)の最新報告では、「今後100年で、最大6.4度の気温上昇」、つまりこれまでの100年間に比べて10倍以上の気温上昇が予測されているのです。地球温暖化により、降雨量の変化や異常気象が多発するようになります。植物への影響も大きく、森林の消滅や生物種の絶滅などが予測されています。50年後にはアマゾンの森林は砂漠化すると予測もあります。(イギリス政府報告)また世界各地で異常気象が多発するなど、すでに地球温暖化の影響は始まっているのです。
気温上昇により南極などの氷がとけることで海面が数m上昇します。バングラデシュ、モルジブなど数十カ国で国土の大半が水没することも警告されています。
日本でも海面がおよそ1メートル上昇するだけでも、水没域の東京、大阪など都市部を中心に90兆円以上の資産が失われるなど、大きな被害を受けることが予測されています。
南極の氷の10分の1が融解するだけで海面が7メートル上昇します。すでに南極の気温は2.5℃上昇し、房総半島くらいの大きさの巨大氷山がいくつも流出し始めています。今後100年で両極の気温は10℃以上の上昇が予測され、今世紀末には北極海の氷がなくなるとNASAが警告しています。 |
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■ ゴミ問題 |
日本のゴミ焼却場数はダントツで世界一です。これほど多くのゴミを出し、燃やしている国はありません。一人1キログラムのゴミを毎日出しており、年間で一家庭から1〜2トンのゴミが出ているのです。ごみ焼却量は、ヨーロッパの環境先進国の10倍以上で、ダイオキシン排出量も世界一です。
「燃やすとダイオキシン」、「埋めると土壌汚染」といった認識のもとヨーロッパなどの環境先進国では、厳しい規制があるのです。このため、環境先進国を中心に「ごみゼロ社会」といった社会作りが、実践されるようになってきました。
ごみは燃やすことで量は減りますが、それでは、根本的な解決になりません。日本のゴミ処理は、根本的に間違っているのです。 |
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■ オゾン層破壊 |
オゾン層は、成層圏(地上20km以上)に広がった薄い空気の層で、地上の気圧(1気圧)では厚さは3ミリしかありません。オゾン層には有害紫外線を吸収する重要な作用があり、もしオゾン層が無くなれば陸上の生物は死滅します。今、人類が作り出したフロンなどのオゾン破壊物質により、オゾン層が破壊され、危機的な状況になっているのです。
フロンは身近なところで使われてきました。先進国では、オゾン層を破壊する力が最も強い特定フロン(CFC)は1995年末で全廃となり、破壊力の弱い代替フロン(HCFC)も2020年までに全廃の予定です。一方、途上国では、CFCは2010年までに全廃となり、HCFCも2030年までに全廃の予定ですが、過去に生産されたオゾン破壊物質については回収・破壊の義務がなく、廃棄フロンの処理が課題となっています。また、特定フロンの先進国への密輸など、新たな問題も生じています。 |
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■ 森林伐採 |
生命の根幹…多くの生物を養い、生物は食物連鎖によって支え合っている
土壌作り…落葉、生物の フン や死骸が豊かな土を作り、木の根が流出を防いでいる
天然のダム…樹木と豊かな土がダムの働きをし、雨水を貯え少しずつ流し出している。
大気の浄化…二酸化炭素を吸収して酸素を放出し、大気中の汚染物質を吸収している
※こうした働きは、人工林
(植林した森林)よりも、自然林(もともとあった森林)のほうがはるかに優れています。
毎年、日本の国土面積の半分の森林がなくなり、さらにその半分は砂漠化し、草も生えない荒地になっています。一部では植林されていますが、植林や樹木の成長の数倍の速度で森林が破壊されています。世界最大の森アマゾンもあと
50年で砂漠化してしまうと予測されています(イギリス政府)。
国連UNEPは、熱帯林の破壊はすでに取り返しのつかない状態になっていると警告を出しています。 |
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■ 生物種の絶滅 |
トキ…明治時代まで、日本全国にたくさんいましたが、農薬や乱獲によって、次第に減少。日本の最後のトキ(年齢
36歳)は2003年10月10日に死亡し、絶滅しました。現在、佐渡島のトキ保護センターに中国から輸入したトキ数十羽を含めて、中国に約300羽程度が残っているだけです。
ニホンオオカミ…日本中に広く生きていたオオカミは、畑を荒らすシカやイノシシを駆除する益獣とされ「大神
(おおかみ) 」として称えられてきました。明治以降の開発によって、生息地が減少、飼い犬から狂犬病がうつるなどの原因で数を次第に減少。飢えによりオオカミが家畜などを襲ったため、懸賞金付きのオオカミ退治も奨励され、
1905年1月23日に奈良県で見つかったのを最後に絶滅しました。
アメリカリョコウバト…アメリカへの移民が始まるまでは、アメリカ大陸に50億羽以上が生息していました。しかし、開拓移民の食糧や羽根布団の材料、家畜のえさ、ゲームの標的として乱獲され、激減。
1914年9月1日午後1時シンシナティ動物園で最後の一羽マーサが死亡し、リョコウバトは永遠に地上から消えました。 |
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■ 人口爆発と貧困 |
「人口爆発」とは人口が急激に増えることです。定義があるわけではないのですが、
100年で人口が2倍以上になれば十分に人口爆発です。人類の歴史
300万年のうち、ほとんどは人口が安定していたと考えられます。ところが、約1万年前に農耕を覚えてから、徐々に人口が増え、産業革命以降さらに加速されました。西暦元年には
1億人だった人口が1000年には2億人、1500年には5億人、1900年には15億人、そして現在70億人と爆発的に増加しています(2011年10月現在)。今も、1秒に3人、1時間に1万人の赤ちゃんが地球のどこかで生まれているのです。 |
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■ エネルギー問題 |
先進国の経済や生活は、化石エネルギーに依存しており、化石燃料は何億年もかかってつくられた有限の資源であり、あと数十年で枯渇すると言われています。しかし年々消費が増加、途上国も経済拡大をめざし、枯渇がさらに早まることは確実になってきています。埋蔵量の少ない産油国はあと20年で原油資源の枯渇が見込まれており、その
時産油国(OPEC)は大幅に輸出削減に走ると見られており石油に過剰に依存している世界経済の崩壊は避けられない状態になっています。
さらに化石エネルギーの大量消費で二酸化炭素が急激に増加し地球温暖化が進行異常気象、海面上昇、洪水、食糧不足、環境難民増加など深刻な問題が発生するという事も考えられます。 |
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■ 砂漠化 |
砂漠化と聞くと、見渡す限り砂の平原が続く砂漠になってしまうことを想像しますが、
それだけではありません。「砂漠化」とは、「土壌が植物などが生育できないほど劣化すること」です。土壌が劣化していくことで、食物栽培ができなくなり、ひいては「食糧問題」につながります。
日本でわたしたちが考えているよりも砂漠化は深刻な問題なのです。 |
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■ 水資源の危機 |
地球は水の惑星といわれていますが、飲み水として利用できる水はどのくらいあるのでしょうか。実は98%が海水で、淡水は2%、その大部分は南極や北極の氷山などで、私たち陸上生物が利用できる水は全体の0.01%にも満たないのです。地球上の水すべてが風呂桶一杯の水だったとすると、私たちが使える水はわずかに一滴。この一滴の水をすべての陸上生物が分かち合って生きているのです。この水が枯渇したり汚染されると、すべての生物が絶滅してしまうのです。 |
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